#26 黒い天使
Don't think!Feel! 訳 ) 考えるな!感じろ! ~ブルース・リ~
>こんにちは。包帯人間です。
絶望書店へようこそ。
心に愛がなければ、スーパーヒーローじゃないそうです。
かの有名なスーパーヒーロー・キン肉スグルさんも主題歌でそう歌っておられました。
そのとおりだと思います。ヒーローは愛と正義に溢れ、悪者は情け無用の残虐ファイトでなければなりません。
・・・しかし近年では、この単純な二極論はウケが悪いようです。
正義のヒーローの代表格・ウルトラマンでも 近年では「怪獣と人類の平和共存」が大きなテーマとしてあるようで、昔と比べると「泣かせるストーリー」が格段に多いです。もちろん「八つ裂き光輪」なんていう素敵な 物騒な名前の必殺技も炸裂しません。
そして敵にも戦う理由があったり、悲しいエピソードがあったりするのです。
・・・・・・・なんだそりゃ。
シリーズ物の宿命であるマンネリを嫌ったのか最近のガキがスレてきているのか知りませんが、そんな路線変更など許されません。
名詞に「PTA役員」とか書いてあるババアのクレームなど気にせずに、元人間の怪獣・ジャミラにウルトラ水流を炸裂させて爆死させていた頃のウルトラマンに戻ってほしいものです。シュワッチ。
・・・さて。そんなこんなで今回はそんな二極論の時代のマンガ、「ブラック・エンジェルズ」のレビューです。
軽くストーリーを紹介させてもらいますと、主人公は日本中を旅する無職・雪藤洋士(ゆきとうようじ)さん。
そして偶然にも行く先々で凶悪事件が起こり、その悪党をブチ殺 成敗していくのが基本ストーリー。
基本は現代版水戸黄門、コロシの現場は必殺仕事人だと思ってもらえれば大筋で間違ってません。
その雪藤さん、移動手段は自転車。そして敵を倒す時の道具は自転車のスポークやホイールです。
しかしナメてはいけません。スポークで簡単に頭蓋骨を貫通したりチャリンコで時速90kmの車に追いついたりと、どうやら人間の壁を越えておられるようです。
そして悪を抹殺する時のキメ台詞が「地獄へおちろ!!」。・・・この上なく分かりやすいです。
そんな主人公の相方は松田鏡二(まつだきょうじ)さん。元警察官ですがクビなり、めでたく「黒い天使」入り。
警官時代からかなりの危険思想の持ち主で、「ヤクザは根っからの悪党ですよ!そいつらに正義の鉄拳をくわえてどこが悪いんですかー!!」
など、その発言もブースト全開です。どうやら暴力団組員には人権は無いと思っておられるご様子ですね。
さて、そんな松田さんの武器ですが・・・基本は素手(空手殺法)。しかし空手なんて生易しいモノではなく、パンチで人間を貫きます。
羅刹です。
・・・かように見所ばかりの「ブラックエンジェルズ」ですが、特筆に価するのは悪役です。一例を挙げてみますと、弱みを握った女子高生を学校の教頭に差し出させて売春する政治家の場合。
「フフフ セーラー服は・・・・・・いい!」
・・・・・なんでしょう、この分かりやすさは。丸出しです。人間の醜いところ丸出しです。
すでにこの時点で死亡フラグが立ってますが、最終的な末路は「黒い天使」の一員、羽死夢(ハシム)さんにキンタマを握りつぶされておりました。
・・・この新宿2丁目にもいないような源氏名の羽死夢さん、「黒い天使」の中では唯一のデブ・ブサイクですが、タマを潰すときのキメ台詞は
「きけ~!!地獄の響きを~!!」で、これがやたらめったらカッコイイです。
と、いうことで私もぜひ「黒い天使」の一員になれたらと思いますが、
「目撃者は死してふたたび語らず」だの「一度黒い血にまみれしものは二度とふたたびそれをぬぐいさることかなわじ。」だとかいう掟(死の掟)がある組織は敬遠したほうが無難でしょうね。
ひらたく言うと「目撃者は殺しちゃえ。したら喋んないし。」と「一回殺っちゃったらもう抜けれないよ。」 って意味でしょうからね、この掟。
というわけで皆さん、もし入る機会がありましても今一度お考えください。社会的には無職ですし。
当絶望書店は自信をもって「ブラックエンジェルズ」をお勧めします。