#24 次世代DVD戦争勃発。
オッス、オラ勤皇の志士。
>こんにちは、イルカです。最近のマイブームは尊王攘夷。
再び丘に戻ってきました。またお会いできて嬉しいです。優しいイルカです。
お久しぶりですね。さてまずは、前回 私の事を「イルカは哺乳類」とか「フカヒレ」とか「サメ」とか言ったヤツ出て来い。怒ってないから。・・・大丈夫、噛まない噛まない。
念のためもう一度言っておきますが、私はイルカです。特技は癒し。ま、多少ダーク・サイドに堕ちてますけど。
・・・見た目はダースベイダーかもしれませんが、心はアナキンです。コー、ホー。
さて。そんなこんなで今回は次世代DVD規格についてのお話です。
最近はDVDレコーダーの低価格化も進み、ずいぶんと普及してきたようですね。ビデオと違って巻き戻しも一瞬ですし、それに「開幕!!おしゃぶり甲子園・フェラプレー宣言」とかいう考えた奴の顔を見てみたいタイトルのビデオが詰まって出てこなくなって途方に暮れて、でも電気屋に持って行く勇気がなくて
「1300円払って5年の延長保障に入ったのに・・・」とかつぶやきながら涙目で分解してみるんだけど、やっぱり取れなくて結局 忍法・腕力の術で引き抜いて、「バキッ。ビ…ビキッ。」とかいうドラスティックな音がしたりします。
で、「うわーん、まだ見てないのにい!!」とか言いながら泣くハメになるんですけど、テープよりビデオの方の心配しろよオマエ。
・・・とかいう悲劇も無くなるので、DVDレコーダーが大人気なのも頷けます。人類の進歩って素晴らしいですね。
しかしビデオデッキがベータからVHSに進化したように、次世代DVDディスクがすでに開発・販売されています。
SONY・松下などが率いる Blu-ray Disk(ブルーレイディスク)と、東芝・NECなどが率いるHD DVD(ハードディスクDVD)がそれです。
現在のDVDメディアは片面二層方式の物でも最大で9・6G(ギガ)の記憶容量ですが、HD DVDは三層で45G、Blu-ray Diskに至っては片面二層で50G
もの容量を誇ります。界王拳5倍です。
しかしこの両陣営、当然 互換性はありません。ということは、これまでの歴史からいっても生き残るのはどちらか片方です。
北斗神拳の伝承者が一人であるように、次世代DVD規格の世紀末覇者も1規格だけなのです。
とはいえ、負けるわけにはいきません。ベータやジャギの末路を思い出してみてください。負けた方の責任者は「・・・メッ。」で済むはずもなく、おそらくは血が流れる事になると思われます。ひでぶ。
しかし我々 消費者にとっては価格競争からの低価格化が見込まれますので、そう悪い事ばかりでもありません。うっかりベータの方を買ったら目もあてられませんけど。
そんなわけでイルカもオホーツク海から注目していた規格争いですが、当初は Blu-ray 陣営の優勢が伝えられておりました。
やはり開発・技術のSONYと流通の松下、夢の2000万パワーズは強力です。すでにBlu-rayDisk用レコーダーを製品化、実発売しているのも「機先を制した」感がありました。名前もカッコイイですし。
しかし事態は急変します。
HD DVD 陣営が 米ハリウッドのワーナー社など、計4社の買収に成功したのです。(本能寺の変。)
「・・・それがどうしたの?」と思われる方もおられると思いますが(イルカも最初そう思いました)、SONYのプレイステーションを思い出してください。
プレステがシェアをリードしていたセガサターンを逆転し、世界基準機にまでなったのはハードウェア(プレステ本体)の性能だけではなく、大人気ソフト「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」の製作・配給先であるエニックス・スクウェア等を買収できたのが大きかったのです。
HD DVD 陣営が買収に成功した4社は合計で映画DVD販売シェアの約45%を占めると言われ、「ハリー・ポッター」や「マトリックス」シリーズも順調ならHD DVDで販売・レンタルされることになります。
もちろんBlu-ray 陣営も20世紀フォックスやMGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)など、大手配給会社の買収に成功。さらにプレステ3にも Blu-ray Diskを採用すると発表し、一歩も引きません。
ここまでの両者のセールスポイントをまとめてみますと、
HD DVD 陣営
「販売店やレンタル店に並ぶ映画DVDソフトの45%以上はHD DVDレコーダーじゃないと見れないよ。・・・ハリーポッターの新作、超おもしろそうだよねー。」
Blu-ray 陣営
「プレステ3、みんな買うよね?プレステ3でも見れるBlu-ray規格が世界の主流になると思わない?ハリーポッター、もう飽きちゃった。」
ってとこでしょうか。ここ、テストに出ます。
というわけでがっぷり四つ、まさに互角の戦い。アテナエクスクラメーションVSアテナエクスクラメーションです。
・・・この千年戦争の決着は、最後の大物・ディズニーがどちらを支持するかで決着するのではとも囁かれており、予断を許しません。
先のワーナー・MGM・20th FOX などもあくまで「支持」を表明しただけであり、パワーバランスが崩れると強い方にコロッと寝返るかもしれません。いや、寝返ります。
人間社会って怖いですね。
そんな背景もあって、「歩み寄って規格統一できないだろうか」と両陣営の間で会合が開かれました。・・・まあ本音は
「勝てるかどうか判らん戦争なんかできるかボケ。ベータの二の舞になったらシャレにならんがな。・・・しゃあない、ムカつくけどうまい汁吸うのは半分で我慢しよか」ってとこでしょうけど。
しかし所詮は相手の言い分は一切聞きたくないモノ同士。話し合いは順調に進むハズもなく、めでたく決裂しました。
こうして首の絞め合いになりましたが、最終的にどちらかはベータと同じ末路をたどると思われます。デッド・オア・アライブですね。
さて、最後にBlu-ray 陣営の心境をドラゴンボール風に表現してみますと・・・
Blu-ray 陣営・フリーザさんのコメント(広報課)
初めまして。広報のフリーザ(第一段階)です。
「・・・やってくれましたね、東芝のおバカさんたち・・・よくもわたしのシェア独占の夢を見事に打ち砕いてくれました・・・ ワーナーから支持の表明がありませんね…あなたが買収したんですか? どうやったのかは知りませんが、これはちょっと意外でしたよ… それにしても、あと一息のところで大手4社がHDDVDを支持してしまうとは… ソニー・エンターテイメントピクチャーズは困惑しましたが、わたしはもっとでしょうか…
・・・はじめてですよ…
このわたしをここまでコケにしたおバカさんは……
ゆ…
ゆるさん…
ぜったいゆるさんぞ東芝!!!! じわじわと市場占拠してくれる!!!!! 」
あー怖い怖い。哺乳類はホントに大変ですね。
・・・では、そろそろ母なる海に戻ります。また、いつかの日に。